第44話「古書にある不明な一節」  百物語2012本編

語り:木乃伊
151 :代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/19(日) 00:39:17.30 ID:wlTC3hbH0
木乃伊  『古書にある不明な一節』

私は古書マニアで古書店を巡っては、地下やガラスケースの陳列棚の
桁が一つおおい本をしげしげと見つめ直感で面白そうな古書、洋書を買うのが趣味です
そんな古書の中で意味不明な冒頭の一節を紹介します。

  「馬のような顔をしている者よりも、トカゲのような顔をした者は、およそ3倍程度魔女狩りに
 遭う可能性が高い。トカゲのような顔をしている者よりも、朝夕にパンを2切れ以上食べる者
 の方がその2倍近く、溺れ死ぬ可能性が高い。しかし、問題なのはそのパンがどの程度高級な

 ものかということである。もしそのパンが1ポンドの小麦とほぼ等価のものなら1・5倍、2ポン

 ド程度なら3倍、それ以上なら4倍以上、その人物は臓器の疾患により死ぬ可能性が高いのだ。

 だが、高価なパンを2切れ以上食べる人間だけが、こうした災禍に見舞われるのではない。

 1週間に3回以上、異性との性交渉をしている未婚の人間の方が遥かに危険なのだ。古の賢人

 たちによれば、3回で5年の寿命が縮み、4回で10年、5回で15年、6回以上となるとおよそ20

 ~25年近く、寿命が縮まるのだという。汝、嘘だと思うなら、試してみたまえ。先代のザク

 セン公などは、この目安を遥かに超えて酒色に溺れたものだから、わずか25歳で他界したで

 はないか。

 とにかく、こうした目安は古より伝わりし、賢者の知恵なのだ・・・

 地の黒い神よ、永遠なれ!」


私なりの解釈では性に対する厳しい宗教の戒めだと思っています。     完