第59話「太陽に似た、何か」  百物語2012本編

語り:カリン ◆Knugtm5lOQ
198 :代理投稿 ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 02:22:16.72 ID:t9naPkC70
カリン ◆Knugtm5lOQ 様 『太陽に似た、何か』

母の体験した話。

母は山の生まれで、山に囲まれて育った。
幼い頃から山を駆けずり回っており、まさに自分の庭同然。
そんな山で、一度だけ説明のつかぬ体験をしたという。

ある日母は学校へ行くため、いつもどおり山道を歩いていた。
すると、急にさあっと霧がかかり、何も見えなくなってしまった。
そんなことは初めてだったし、何より足元すら見えないので、
仕方なくその場で霧が晴れるのを待つことにした。
そんな時、それは起こった。

最初母は、それを太陽だと思ったそうだ。
しかし太陽にしては妙に小さく、光り方も違う。
そいつは驚く母の目の前で、大車輪のように前後に動いたり、
∞を描くように動いたのち、急に猛スピードで去っていった。
その瞬間辺りを包んでいた霧は嘘の様に晴れてしまったとか。

「あれ、もしかしたらUFOだったのかも」

終わり