第88話「デジャヴ」  百物語2012本編

語り:憂莉 ◆BPe4rMCg8k
302 :代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 05:59:42.02 ID:jvZ3IDbu0
憂莉 ◆BPe4rMCg8k 様 『デジャヴ』

小学生の頃、給食当番をしているとき急にデジャヴを感じた。
ただのデジャヴでは無く、数分先のことまで急に頭に流れ込んできたからデジャヴというよりはある種の予知なのだろうか?
どちらでもいいのだが、ともかく先ほどまで友人と会話していた内容が過去にもあったように思え、またその先の会話も思い出した。
会話の内容は覚えていないが、たわいの無い、昨日のテレビだとか昼休み何はをしようかだとか、そんな感じだったと思う。
そこで思い出した会話を続けてみると、一言一句間違えずに同じ内容になった。

二年ほどして小学校高学年に上がった頃、またデジャヴを感じた。
今回も同じようにこの先の会話も思い出した。
しかし前回と同じくそれを辿るのでは面白くない、今回はあえて逆らってみることにした、ちょっとした実験である。
結果から言うと、話の大筋は変わらなかった。
話を変えようとしたり、思い出した会話と真逆のことを言ってみたりしたが、結局話の内容はもとに戻ってしまうのだ。
もしかしたら、この世に運命というものはあるのかもしれない。


終わり。