第98話「友人の体験談」  百物語2012本編

語り:K子 ◆100tu2tQBI
335 :KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 07:01:38.24 ID:jvZ3IDbu0
K子 ◆100tu2tQBI 様『友人の体験談』

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友人は見えてしまう人だそうだ。
母方の家系が見る方が多いせいだという。
なるべく気にしないようにしてるようだが、油断すると見てしまうよう。
曰く、一人の時に見る事が多い。

一番古い記憶は、母方の実家
皆で出かける時にふと外から家を見上げた時
二階の窓辺に女性が立って、無表情でこちらを見下ろしていたそうだ。

親戚でも見た事ない人・・・
それとも家族の友達かなと見ていた。
見た事ないけどなんとなく親戚関係かな、と母親に聞いてみたそうだ。

「おかーさん、あれ誰?誰おばちゃん?」

「なにいってんの」
「・・・服装とか髪型、教えて。見た感じはおばちゃんなのね。」

途中で何かに気づいたかのように、母親は逆に質問してきた。

336 :KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 07:03:34.11 ID:jvZ3IDbu0
(2/2)

服装、髪型、背格好を説明するとどうやら祖母にあたる方だったよう。

「そっかぁ、あんたも見えるのね。孫来たから見に来たんだと思うよ。」

祖母は随分前に他界してました。
写真等はしまってあったので、友人は目にした事がなかった為誰かわからなかったそうです。


その後、成人して今日まで

風呂で竹林方面から呼ばれた時はちょっと怖かったから、洗うの半分で部屋に逃げてきちゃった。とか
沿岸沿い走ってたら、落ち武者みたいな扮装の人が霧から出て消えていくの見た。とか
別友達といつもの山に星見に行ったら、聞いた事もない太鼓の音に追いかけられた。とか
細かいものから、不思議体験まで細かいもの様々体験してるようです。

でも本人曰く気にしちゃダメとの事。
なんで?怖くないの?って聞いてみましたら
「怖いのは生きてる人間の方で、見えちゃうのは気持ち悪いだけだから気にしない方がいい」
のだそうです。