第11話「時短肝試し」  百物語2012本編

語り:ねーむど ◆zN2K111QVA
38 :ねーむど ◆zN2K111QVA :2012/08/18(土) 21:58:48.30 ID:f5IEbXTn0
「時短肝試し」

(1/3)
少人数・短時間・屋内で実施可能な「時短肝試し」
そのやり方と体験談を紹介します


方法
 ①:語り部(主催者などが担当)がこの「時短肝試し」のやり方を説明する
 ②:1~数名でトイレに行く

備考・注意点
 一、トイレに行く以外にルールや用意しておく物はないが、怪談話したりすると盛り上がる
 二、一度にトイレに行く人数は、何人ずつでも構わない
 三、トイレに行った証拠を持ち帰りたい場合は、トイレットペーパーの切れ端などが無難
   理由は、あとで「水に流せる」から(火を使った破棄は望ましくない)
 四、トイレに行く間はできるだけ静かに(喋っていけない、という訳ではない)


やり方は以上
ぶっちゃけトイレに行くだけ

39 :ねーむど ◆zN2K111QVA :2012/08/18(土) 21:59:35.08 ID:f5IEbXTn0
(2/3)
こっからが俺の体験談です(怪談としてはこちらがメイン)


参加者は7名、場所は先輩宅、時間はよく覚えていない

どういう流れか忘れたけど「電気を消してかまいたちの夜プレー」やってて
そしたら先輩Aが「休憩中に怪談もやろうぜ」って言い出して
「じゃあこんなのがあるけど」って別の先輩Jがこの「時短肝試し」を提案してきた(語り部役もJ先輩だった)

ルートは先輩の部屋が2階で階段を下りて1階のトイレまで行って
行った証拠にトイレットペーパーの切れ端を各自ゲットして帰ってくるコース
人数が半端だったんで行くのは1人ずつに


俺、怪談は好きだけど肝試しやお化け屋敷とかが苦手なんで
途中、鏡とか、微妙に開いてる襖とか(これは多分絶対先輩Aの仕込み)
廊下の先の暗がりとか、トイレの水を流す音とかに
いちいち馬鹿みたいにビクビクしながら
どうにかこうにか行って帰ってきた

他の面子は俺よりも気楽に肝試しを楽しんだみたいで、
帰ってきて「謎の影を見た」「ゾンビに遭遇した」「どこからかドナドナが!」とか
好き放題言ってた

肝試し自体は何事もなく終わった

40 :ねーむど ◆zN2K111QVA :2012/08/18(土) 22:00:42.08 ID:f5IEbXTn0
(3/3)
問題は次の日で、A先輩宅から自分ちに戻ってベッドにダイブした丁度その時、
J先輩から電話がかかってきた

『昨日の肝試しだけどさ、そっち「なんか」ないか?』

「なんか」ってなんだよおおおおおおおお
ビビりな俺は怖くなって聞き返したら
誤魔化されそうになったけど、なんとか聞き出した

『証拠にって持ってきた切れ端あるじゃん。あれ何故か8枚あるんだよね』
「………………」
「だいじょぶだいじょぶ、もう俺の『大』と一緒に流しちゃったから」

時々あるんだよね~。でもこういうのは深く考えない方がいいんだよ
って電話は切られた

普通に考えたら誰かが2枚取ってきたって事だけど……
深く考えたら家に出そだって思って、そこで思考を打ち切った

以来、何度か「時短肝試し」やったけど
「なんか」があったのも俺の知る限りはその時だけ

周りでは気軽&適当にできる肝試しとして割と好評みたい
そういうのが好きな人は試してみてください

【終わり】